「ネコさんものがたり」誕生秘話
「ネコさんものがたり」は、mixiになんとなく書いていた
ネコさんの日記を再編集したり、新しいものを加えたりしてできた本です。
本の中でネコさんがたくさん動き回っています。
まるでネコさんが住んでいるような一冊にしました。
本は、mixiの中のものとくらべてだいぶ変化しています。
（日記をご覧いただいていた方には、そのちがいもお楽しみいただけると思います）
mixiの日記を書きはじめた頃、ネコさんは自分で目をこすってケガをしてしまいました。
当時は、その目のことをそんなに深刻に考えてはいませんでした。
ですので、mixiの中でケガをしたネコさんの目をガードするためにつけた
眼帯のことを面白く書いたりもできたのです。
ネコさんの目を心配してくださったマイミクさんから
「キズの具合はいかがですか？」
というコメントをいただいた時、心配かけたくなくて
「はい、すっかり治りました」
と書いていました。
しかしネコネコブログにも書いてあるように、
ネコさんの目はみるみる悪化していきました。
私はこのつらい事実を書くことができませんでした。
楽しいエピソードを思い出しながら書いたのも
日記の中だけでもネコさんは健康でいてほしかったからでした。
目のケガが悪化してとうとう摘出することになり片目になったネコさんは、
体のバランスをくずしていろいろな病気になりました。
しかし、なんとか病気を克服して元気になったネコさん。
元気を取り戻したのは14ヶ月間でした。
この時間を私は、神様がくださった贈り物だと思っています。
ネコさんが健康になった6ヶ月目のこと、私はふとネコさんの本を作りたくなったのです。
ちょうどその頃、忙しい仕事が一段落していて落ち着いていたこともあったのですが、
今考えても、なまけものの私がせっかくのお休みを全部つぶして、
企画書を作って出版者さんに出向いて・・・
本の制作にとりかかるなど本当に不思議なことでした。
仕事の合間をぬって作っていた本ですが、なかなかうまく進まず、試行錯誤をくり返していました。
ただ読んでおもしろいだけではなく、
ネコさんが本の中でチョコチョコ動き回っていたずらをしたり、お昼寝をしたり・・・
読んだ後でもう一度ページをめくると新しい発見があるような・・・
ネコさんワールドをめざしました。
本がなんとか70％くらいできあがってきた頃に
ネコさんがたいへんな病気になってしまいます。
もちろん本どころではありませんでした。
毎日毎日、ネコさんと病気に立ち向かう日々が続きました。
・・・しかし、ネコさんはどんどん弱っていきました。
・・・その4ヶ月後、とうとう永遠の世界へ旅立っていきました。
ネコさんが旅立つ一週間ほど前、突然、なぜか私は本の制作を急ピッチで再開したのです。
当時ネコさんは、ほぼ24時間つきっきりで看病と世話をしなければならない状態だったのです。
そんな状況の中、休む暇を返上して本を作るなんて正気の沙汰とは思えませんでした。
見えない何かに駆り立てられるように、夜を徹して制作に励んでいました。
ネコさんが旅立った時には、すべてのエピソードが完成していたのです。
奇跡だな・・・と思えるのは、
ネコさんが病気になる前、再び元気になった時に本を作ることを決め、制作したことです。
作りはじめた頃は、ネコさんがやっと健康をとりもどしていた時で、
まさかその6ヶ月後に悲しい出来事が起こるとは想像すらしていませんでした。
ネコさんが病気になってからでは、私の心には楽しい話などまったく考える隙間もありませんでした。
ましてや、面白いエピソードなんて頭に浮かぶことすらなかったのです。
ネコさんのことを書き残すように、楽しかったことを忘れないように
神様が背中を押してくださったのではないかと思うことさえありました。
見えない力に導かれるようにできあがった本。
ひとりでも多くの方にご覧いただけることを願っています。
2010.2.14 バレンネコタイン
天国のネコさんにささぐ
まつぼっくり
おまけ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ネコさんは、旅立った後、体調をくずした私に
すばらしいプレゼントをしてくれました。
そのおかげで一気に元気になったのです。
不思議なことでした。
ネコさんの闘病記を書こうと思ったのは、
まわりがまったく見えないくらい必死だった当時も
たしかにしあわせだったと思うことがあったということに気がついたからです。
これもネコさんからおしえてもらったことでした。
ブログには、これからもネコさんがおしえてくれたことを書くつもりです。
いつも読んでくださってありがとうございます。
すべてのことに感謝します。